【ボバース】ST目線でボバースについて考えてみた。

わびさび
1年目から現在まで約4年間ボバースに触れてきました。

STでボバースをしている人はどの程度いるのでしょうか?少なくとも私は、働き出すまでは名前を聞いたことがある程度で、内容については全く知りませんでした(-_-;)

個人的な印象としては、STでボバースをやっている人は少数派なのかなぁと。

 

私がボバースを知るきっかけになったのは、職場で関わっている人が多かったのが大きく影響しています。

正直、ボバースは運動学的な内容が多くPT・OT的な要素が強いため、STはとっつきづらいところが。。もし現在の職場にいなかったら能動的には学ぼうとは思わなかったかもしれません(^_^.)

しかし、臨床1年目からボバースに触れてきて、私の臨床の基礎となっているところは大いにあり、学んでよかったと心から言えます!

 

今回はもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、ボバースについて私なりの視点で紹介します。

ボバースコンセプト(概念)とは?

潜在能力を引き出す。

ボバースコンセプトは、中枢神経系の損傷による、機能あるいは運動・姿勢制御の障害を持つ患者に対する評価と治療のための、問題解決型アプローチである。(IBITA 1996, Panturin 2001, Brock et al 2002, Raine 2006)

引用:JBITA日本ボバース講習会講師会

ST的に本当に概要だけ簡単に説明すると、脳血管障害により機能障害を呈した患者に対して、姿勢コントロール選択的な運動を触診などを通して評価、それを徒手的に促通などを用いて治療します。

そして、口腔構音機能や嚥下機能等において患者の潜在能力を最大限に引きだし、問題の解決を図っていきます。

わびさび
学校では習わないことが満載です。

 

キーワードは姿勢制御(ポッシャルコントロール)

バランスが大切。

人間は無意識下で倒れないようにバランスを取っています。

基本的には、体幹をしっかりと働かせ安定性を作ることでバランスをとっています。

しかし、体幹が弱く不安定な状態になると、倒れないように手をついて補おうとするなど、人間は無意識に代償的な動作をとります。

これは、姿勢を保つために手をつく必要があったからですが、結果的には上肢の動きを制限することにつながります。この状態で無理に上肢を動かしたりすると、肩がこるなど無理をした弊害が出現します。

逆に言うと、体幹が安定すると、代償(手をつく、肘をつくなど)をしなくて済むようになり、上肢が機能的に使えるようになり、無理もしないので肩もこりづらくなります。

このように、人間には空間の中で体を適切な位置に調整する能力(姿勢制御)があり、これを四肢に頼らず体幹の力で行えることが理想です。

姿勢を機能的に保つ(程よく体幹が働いている)ことができれば、末梢(上肢、下肢、頭頸部)の活動においてパフォーマンスは向上します。

ボバースではこの姿勢制御の考えが重要です。

健常者でも姿勢の崩れはある。

少なからず、生活の中で習慣になっているその人の得意なパターン(よく右肘をつく等)があり、左右差が生じます。安静時に左右対称で、体幹が安定、四肢や頭頸部がアクティブに動かせる、いわゆる理想的な姿勢の人は健常者でも極少数です。脳血管障害などによって姿勢のコントロールできなくなると日常生活動作に困難が生じる要因となります。

 

ST視点で考えると。

ST領域は頭頸部に対してアプローチが主となってきます。

頭頸部も手や足と同じで末梢にあります。姿勢が悪いとその状態を安定させようと手や足だけでなく、頭頸部もバランスを取ろうと少なからず影響を受けます。

そうすると、無駄な力が頭頸部に入ります。

それによって、筋肉が動きたい方向に動けず、構音や嚥下といった運動の阻害につながります。

唯でさえ患者さんは、麻痺などによって運動を阻害されています。それが更に、姿勢が崩れることによって現状における最大のパフォーマンスを出すことが出来なくなってしまうのです。

上を向いて唾を飲み込んでみてください。飲み込みにくくないですか?

  1. 腰が曲がると自然と地面を見ることになる。
  2. 正面を見るために頭を上げる必要がある。
  3. 喉頭の距離が長くなり、下顎も下制に引かれる。
  4. 飲み込む際に努力が必要になる。
  5. ムセやすくなり、肺炎になるリスクが向上。

姿勢の悪さは様々なデメリットをもたらします。

わびさび
悪い姿勢の中で口腔部の運動を行うことは、よくない運動パターンを誘発させる要因にもなりえます。

どんなことをするのか?

仮説検証のサイクルが大切。

臨床推論(クリニカルリーズニング)が基本になります。

評価をして、問題点の仮説を立て治療を行う。変化がなければ再度検証。この仮説検証作業を臨床の中で繰り返します。

リハビリを行う上で短期目標を立て、それに向かってアプローチしていきますよね。ボバースでは1回のリハビリごとにゴールを立て、クリニカルリーズニングを行っていきます。

 

そして、個別性をもったアプローチという点もボバースの特徴です。

声が小さいから大きな声を出す練習ではなく、声が小さいのはどの問題からきているのか、それを細かく分析します。そして、姿勢との関連も考えながらベストであろう治療を選択します。なので、この障害にはこのアプローチといった=の関係は成り立ちません。

しかし、治療の型といったものは存在します。この型を使って、患者さんにあった個別性をもったオーダーメイドのリハビリを展開していきます。

 

ボバースは、個人の力量が反映されやすいのがデメリットです。しかし、STのリハビリはエビデンスレベルが乏しいものが多いので、ある意味STと相性が良く学ぶことは非常に意味のあることだと思います!

 

講習を受ければすぐに使えるようになる「方法」ではない

こんな単純ではない。

私も最初は、「ボバース法」といった形で決まった形ある方法のことを想像していました。数回の講習会みたいなものを受ければ、ボバース法という何か効果のある臨床での武器が手に入ると入職したてのころは思っていました(笑)。

ボバースは方法ではなく、概念(コンセプト)です。

私は臨床における考え方と捉えています。

なので、講習を受けてボバースを使う!というよりは、ボバースコンセプトという考え方を基に、評価や治療を行っていくことになります。

 

また、ボバースは歴史が長いだけでなく、最新の知見も取り入れ常に時代に合わせて変化し続けている点も特徴で、常に勉強していく必要があります。

 

横文字が多い件について

ボバースはイギリスが本場

  • BOS(支持基底面)
  • スキャプラ・セッティング(肩甲帯の位置調整)
  • プレーシング(身体部位の分離運動や筋緊張を評価する方法)
  • オプティマル・シッティング(機能的な座位)
  • コア・スタビリティ(腰腹部・骨盤の安定性)などなど

ボバースの研修に出ると横文字がたくさん出てきます(-_-;)

少しずつPTやOTの方たちに聞いたりして、理解できるようになっていきましたが、最初の頃は「何をいってるんだろ・・」と英語を聞いているかのように聞こえてました。

わびさび
横文字の意味が分かるようになることがボバースを勉強していくうえでの第一歩かと。

 

まとめ:興味のある方はぜび研修に参加してみましょう!

ネットから申し込み可能です。

  • イントロダクトリーモジュール1、2
  • ベーシックコース
  • アドバンスコース
  • インフォメーションコース など

研修を全国各地で行っています。詳しくはJBITAのホームページを見てください。

まずは、イントロダクトリーモジュール(2日間)という研修に参加するのをおススメします。ボバースの概要について学ぶことができます。

言語聴覚士のためのインフォメーションコースというSTに特化した研修もあります。これは構音障害や嚥下障害に携わっているSTであれば、非常におススメです!講師の先生もSTなので非常に分かりやすく説明していただけます。

わびさび
STは脳血管障害の方にリハビリを提供することが多いので、中枢神経系の問題に対して有効なボバースとは非常に相性良しです!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

20代、田舎で言語聴覚士をしています!「わびさび」を感じられる余裕を持つため、QOLの向上を目指します。リハビリ関連の知識のアウトプットを中心に資産運用などにも取り組んでいます。色々なことに挑戦し、役立つ情報を発信できるように頑張ります!!