【ST目線】脳画像の見方。知っておきたい、3つのスライスレベルと出現する言語障害!!

わびさび
こんにちは!脳画像って多くの種類やスライスレベルがあって、ややこしいですよね。

脳画像の情報を読み取ることで、

  • 出現するであろう症状が推測できる。そして、評価するべきポイントをある程度絞れる。
  • 予後予測の一助になり、具体的な目標設定に役立つ。
  • 症状と脳画像を照らし合わせることで、病態の理解が深まる。など

臨床場面において、事前に多くの情報を提供してくれます。

 

今回は、

  • まず見ておきたい、情報の詰まった3つのスライスレベル
  • STなら知っておきたい脳の解剖と出現しうる言語症状

について書いています。

補足
ここでは、左大脳半球を優位半球としています。 

知っておきたい、スライスレベル3つ

まず、確認!

  • 松果体(の石灰化)レベル
  • 側脳室(八の字)レベル
  • 橋(小脳・第4脳室)レベル

基本となる3つのスライスレベルです。

わびさび
この3枚の情報があれば、ある程度は脳病変の全容が見えてきます。

 

松果体(の石灰化)レベル

松果体(の石灰化)レベル

大脳基底核を始め、前頭葉、側頭葉、後頭葉など盛りだくさんの情報が詰まったのが、松果体の石灰化レベルになります(主にCT画像で見られます)。

40代以降になると、大抵の人は松果体が石灰化しています。

そのため、脳画像の丁度真ん中くらいの所が白く映ります。

これを目印にすると松果体レベルのスライス画像がどの位置かわかりやすいです。

 

知っておきたい部位

  • 大脳基底核(レンズ核(被殻と淡蒼球)、線条体(被殻と尾状核)など):主に運動のコントロール。眼球運動、記憶、情動等にも関与。
  • 視床:種々の感覚の中継路。記憶等にも関与。
  • 言語野(Broca野、Wernicke野):言葉を司る。
  • 弓状束:言語野を結ぶ。
  • 内包:錘体路(皮質脊髄路)の通り道。
  • 横側頭回:第一次聴覚野で、聴覚情報を処理する。

出現し得る主な言語障害

  • 皮質下性失語(左脳の被殻や視床の損傷が皮質下まで及ぶ、また広範な場合)
  • 運動性失語(Broca野とその周辺領域の損傷)
  • 感覚性失語(Wernicke野、またはその周辺領域の損傷)
  • 伝導失語(弓状束の損傷)
  • 痙性・UUMNディサースリア(内包下部の特に顔面の領域が損傷)
  • 純粋語聾(両側または一側の側頭葉損傷、主に横側頭回など聴覚野を含む損傷)など  

 

松果体レベルは、脳出血の約7割を占めている好発部位の被殻や視床の情報を多く含んでいます。

わびさび
多くの脳卒中の病態が分かるスライスレベルです。

 

側脳室(八の字)レベル

側脳室(八の字)レベル

下頭頂小葉の情報を得ることができるスライスレベルになります。

丁度、側脳室が漢字の「八」の字に見えるところが側脳室(八の字)レベルです。

 

側脳室に何らかの原因で髄液が溜まってしまうと、この八の字が大きく拡大していきます。

いわゆる、正常圧水頭症(主症状:認知症、歩行障害、尿失禁)といった病状になります。

この正常圧水頭症は、くも膜下出血の合併症として出現しやすいので、時間経過と共に徴候が現れていないか観察しておき、必要あれば主治医に情報を伝えましょう。

 

知っておきたい部位

  • 放線冠:中心前回から降りてくる錘体路(皮質脊髄路)が束になり一つに集まる場所
  • 中心前回:一次運動野とも言われ、手・体幹・足・顔などの運動の命令を行う
  • 縁上回:頭頂葉・側頭葉・後頭葉の情報を取りまとめるような働きをしているらしい。。ミラーニューロン(人の行動を観察してるだけで、同じような脳活動が観察者にも起こる)や左右の認識などにも関わっている可能性がある。
  • 角回:読み書きに関与

出現し得る主な言語障害

  • 発語失行(左中心前回、特に下部の損傷)
  • 失読失書失算(縁上回、及び角回の損傷)
  • 痙性・UUMNディサースリア(放線冠、特に顔面の領域が損傷)など

 

側脳室レベルを確認することで、側脳室の拡大による認知機能の低下、左半球の広範な損傷による観念失行や観念運動失行、更に右半球(特に縁上回付近)では左半側空間無視が重度に出現しやすい等、種々の高次脳機能障害も推測できます。

わびさび
側脳室の拡大は脳の委縮によっても出現するので、脳溝の大きさなどにも注意を払いましょう。

 

橋(小脳・第4脳室)レベル

小脳と脳幹の中でも橋を確認することが出来るスライスレベルになります。

第4脳室が凹の逆さまに見える位置、もしくは脳幹を見ていった中で最も大きくなった位置が橋になります(脳幹の中でも橋が最も大きいため)。

この位置が分かれば、それより上のスライスレベルは中脳、下は延髄と判別できます。

補足

中脳:蝶々に近い形。

延髄:上下逆さまの蝶々の形で、中脳に比べると小さい。

 

脳幹には、脳神経核や網様体など生きる上で必要な機能を担っている部位が多々あります。

そのため、小さな損傷でも場所によっては重度の障害が生じ、予後不良となる可能性があります。

また、延髄には呼吸中枢橋には呼吸調整中枢があると言われています。

これらを少しでも損傷されると呼吸機能は低下し、声量の乏しさや咳嗽力の低下につながる可能性があります。

脳幹の損傷は、特に運動性構音障害(ディサースリア)や嚥下障害が重度に出現しやすいことを留意しておきましょう。

 

対して、小脳の損傷の場合は麻痺などは出現しませんが運動が上手にコントロールできなくなります。

いわゆる失調症状が出現するため、巧緻な運動と言ったものが困難になります。

構音障害で言えば、呼吸のコントロール不良により爆発的な発話になってしまうなど。

 

知っておきたい部位

  • 小脳:細かい運動のコントロールに関与
  • 中脳:運動に関わる感覚情報の処理を主に行う
  • 橋:情報を小脳に伝えたり、脳神経の通り道となる。特に背部には網様体や脳神経核がある。
  • 延髄:生命維持に必要な呼吸や嚥下の中枢がある

出現し得る主な言語障害

  • 失調性ディサースリア(小脳)
  • 混合性ディサースリア(脳幹の損傷)など

 

このスライスレベルでは、球麻痺によるワレンベルグ症候群を筆頭に嚥下障害になり、栄養を摂取できない状態に陥っている方が多いです。

特に意識の中枢が脳幹にあるため、廃用による嚥下機能の低下もみられやすいです。

血腫量や損傷部位などを確認して、ある程度症状の推察や予後予測を行ったうえでスピーディに介入していきましょう。

まとめ:介入する前に脳画像の確認をしていた方がいい

脳画像には情報がたくさん!

脳画像を読み解く力は症状を見逃さないという点において重要です。

脳画像を事前にみて症状の予測をした上で介入することで、より細かくスクリーニングをかけていく事が出来ます。

 

また、症状と照らし合わせながら脳画像を見ていく事で、脳画像を読み解く勉強にもなります。

私も最初は

「左半球損傷だから失語が出るかな、、」

など、簡単な推測しかできませんでした。

しかし、担当を持つたびに脳画像を確認して、症状を評価していく事で、どんな症状が出現しているのか、どのくらいまで回復するのかなど、ある程度展望をもってリハビリに介入することができるようになりました。

脳画像を見れる環境があるのであれば、みる癖をつけることをおススメします。

わびさび
見ることを継続することが脳画像を読み解く力をつけるのには大切です。

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ABOUTこの記事をかいた人

20代、田舎で言語聴覚士をしています!「わびさび」を感じられる余裕を持つため、QOLの向上を目指します。リハビリ関連の知識のアウトプットを中心に資産運用などにも取り組んでいます。色々なことに挑戦し、役立つ情報を発信できるように頑張ります!!