症例発表のすゝめ!知っておきたい、レジュメ作成方法!!

わびさび
こんにちは!就職してから約7回ほど症例発表をしてきた経験を踏まえて、レジュメの作り方をまとめました。

症例発表をする目的として、

  • 普段行っている臨床を言語化、アウトプットすることで、より理解を深める。
  • そして、同僚や先輩とのディスカッション(質疑応答)を通して、より質の高いリハビリの提供を目指す。

などの側面があるかと思いますが、早々簡単には質の高い症例発表・検討会を行うことはできません。

 

発表者には、限られた時間の中でわかりやすく伝えるプレゼンテーション能力が必要になります。

 

理路整然と分かりやすく伝えることが大切ですが、これが中々難しい。

臨床経験を重ねるうちに身についた!なんて都合よくはいかないでしょう。

症例検討・学会発表などを通じて、能動的にプレゼン技術を学び、経験を積む必要があります。

 

私もまだ半人前ですが、経験年数を重ねるにつれて、学生や後輩指導なども行うようになってきました。

指導を行う身となり、レジュメ作成を手伝うことが増えましたが、指導するのは自分でレジュメを作成するのとはまた違った難しさがあります。

指導内容が二転三転したり、曖昧になったりなど結局どのようにアドバイスしたらいいんだ、、、と悩むことも多々あります。

結局は、レジュメ作成する上での基本的な手順が曖昧なままだったのです。

 

そこで、今までの経験を踏まえ、私なりの知っておきたいレジュメ作成の手順についてまとめてみました!

 

わびさび
「症例発表したいけど、どうやって作ろう、、」って人の参考になれば幸いです。

作る前にまず、やっておくこと

最高のパフォーマンスを出すには入念な準備が必要

スケジュールを立てる

最初に、発表日を決める。取り掛かりは、初めて作るなら一カ月以上はあった方が良いでしょう。

職場の事情等も考慮して、同僚が時間が作れそうな日に目星をつけておくと、話がスムーズにまとまります。

特に、レジュメを先輩や上司にチェックしてもらうなどする場合は、指導する人の都合も考えて余裕をもったスケジュールを立てましょう。

アポをとっておこう!

指導して頂く人の都合を考え、早い段階で「~日に症例発表をするつもりなんですが、指導して頂けませんか?」と一言お願いしておくと良いでしょう。了解を頂けたら、具体的に提出できる日を伝えましょう。 

時間的な余裕はある程度はもって!

時間がなさすぎると、

  • 作っていく過程で問題が発生した場合、修正する時間がなくなる
  • 指導して頂く先輩や上司に失礼
  • 誤字脱字、情報の不備などのケアレスミスをしやすい など

中途半端な状態での発表は、自分の身になりませんし、時間を作ってもらった人たちの迷惑になります。

最低限責任を持ってやり遂げましょう。 

だからと言って長く時間をとりすぎるのもいけません。怠けて中だるみしがちな上に、情報の新鮮味がなくなります。きっちりと期間を決めて、けじめをつけて取り組むことが質の高いレジュメを作成するうえで大切です。

わびさび
私も1、2年目の頃にギリギリに先輩にレジュメを提出して、「みる時間無いよ!」と怒られたことがあります、、。私のようにならないように、気を付けましょう!

症例を決める

発表する症例を決めます。これは、できるなら臨床場面で悩んでいる人がベストです。

なぜなら、症例をまとめながら解決の糸口が見つかるかもしれませんし、見つからなくても発表を通して意見をいただけるからです。

もし、症例決めに悩んでいるのであれば、先輩などにも相談すると良いでしょう。

わびさび
気づきを得る良い機会にすると同時に患者様に還元しましょう!

症例の基本情報、評価をまとめる。

大抵の場合はパソコンで作業をすると思うので、パソコンに基本的な情報と評価をまとめておきましょう。

パソコンに全ての情報があれば資料集めに移動する必要がなくなり、作業に集中でき、グラフや表を作る際もコピペだけで出来るなど、作成がはかどります。

わびさび
できるだけ詳しく情報を集めておくと後が楽です。

特徴を抽出し、テーマを決める。

まとめた基本情報や評価をみながら、症例の特徴を抽出する。極端に低下している項目、多く出現している症状、改善が著名、または緩やかな点など。。

症状の特徴を抽出したら、症例の背景も考慮して発表のテーマを決めます。

テーマ決めが発表の軸になる部分。

出来るだけ具体的に明確に決めましょう。レジュメのタイトルにもなりえます。

わびさび
テーマを基にどのような結論に持っていくのか、簡単な構成を書いておくと方向性を見失わずにすみます。

レジュメに記載する情報

これだけの情報があれば、大丈夫!

私がレジュメ作成する際の基本的な構成と書く時の注意点などを記載してます。

タイトル

レジュメの顔となる部分です。

発表テーマに沿っていて、症例の特徴を踏まえたタイトルにする必要があります。

簡潔で短いタイトルの中には、

  • インパクトがあり、興味がそそられるような言葉
  • 内容がある程度理解できる情報量のある言葉

を使用していく必要があります。

簡潔に表し、聴者の興味をそそるようなタイトルをつけるのは非常に難しく、私も毎回悩みます。内容とずれたタイトルにはならないように気を付けましょう!

病巣や疾患名などは多くの情報を含むので、一症例の症例検討ではタイトルに入れておくのをおススメします。

書き方の

良「非右利き左大脳半球の広範な損傷により軽度伝導失語を呈した一症例について~大脳半球側性化に着目して~」症例の特徴が分かり、ある程度発表内容の方向性が想像しやすいタイトル。

悪 「左大脳半球損傷により伝導失語を呈した症例」どんな症例でも当てはまりそうで、発表内容がよく見えない漠然としたタイトル。

はじめに

本で言う、「あらすじ」です。

簡潔に発表を通して伝えたいことをストーリー形式で書いていきます。

要点を押さえた内容を記載することができれば、聞き手側もポイントを押さえて発表を聞くことができるので、内容の理解度は大きく向上します。

書き方の例

~損傷により~を呈した~が特徴的な症例を担当した。~(簡単な経過)~。~(発表のテーマに沿った内容を記載。発表で一番伝えたいこと)~。~(評価、分析、考察等どのようなことを行ったのか)~、報告する。 

最後に確認を
「はじめに」なので、最初に作成しがちですが、レジュメ作成過程で添削を加えていきましょう。最後まで書き上げたら、内容を簡潔にまとめて書くことができているか確認するのがいいでしょう。

症例紹介

症例の基本情報を載せていきます。

発表する時間や内容によっては、記載情報を取捨選択する必要があります。

基本的に記載しておいた方が良いもの

年齢・性別:○代・男性
利き手:FLANDERS利き手検査などの情報があれば記載する。利き手交換の有無、家族の利き手についても情報は持っておく。
医学的診断名:略称でなく正式名称で記載。病巣も一緒に記載すると理解しやすい。
主訴・ニード:本人からだけでなく、家族からの情報も大切。
家族歴:家族構成、キーパーソンの記載。
現病歴:日付は発症日から数えて「第○病日」と記載。病院名はA病院など仮名で記載。院内の発表でも、情報を病院から持ち出すのであれば、基本的な情報管理については守る。前病院でどのような治療やリハビリを受けていたのかも重要な情報となる。
既往歴:基本は全て記載。数が多い、時間が限られている等の時は、発表内容に関連するものを選択。
言語病理学的診断名:失語症や構音障害の種類や重症度を記載する。
神経学的所見:麻痺についてブルンストロームステージで記載(PT・OTに情報を収集しておく)。視力、聴力についても、記載する。
神経心理学的所見:脳の損傷部位に基づいて出現しうる障害について出現の有無を記載する。例えば、左半球損傷であれば、失語症、観念失行、観念運動失行、右半側空間無視、半側身体失認、注意障害など。
放射線学的所見:病巣によって記載するスライスレベルは変わるが、最低2枚は載せる。基本は松果体レベル(前頭葉・側頭葉・後頭葉が見える)と、頭頂葉まで病巣が及んでいれば側脳室レベル、脳幹にあれば橋レベルなど。画像の種類(CT・MRIなど)、日付(第○病日で記載)、左右、コメント(~に低吸収域があるなど)を記載する。
ADL:FIM、BIで記載。

発表内容に応じて記載する情報の量・配分・順番などは調整します。

全て載せることは症例の理解を促すうえで大切かもしれませんが、情報量が多すぎると限られた時間の中では、逆に理解の妨げになります。

その他(病前の生活、薬など)の情報が発表内容と関連するのであれば情報を補足します。

わびさび
記載はしなくとも、情報を持っておく必要はあります!幅広く詳細に症例の情報を収集しておきましょう。

評価

極力、主観が入らないように客観的な情報をのせる。

いつの評価なのか、日にちの記載も忘れずに。

初期評価と最終評価を比べるなど比較する場合は、表など用いて横に並べて記載するなど比較しやすいように配置を調整をする。

チェックポイント

全体像:症例像が想像しやすいように書く。基本は大きな情報から小さな情報へ掘り下げていくとわかりやすい。見た目⇒生活動作⇒コミュニケーション態度⇒・・・など。ふわっとした内容にならないように。発表テーマにそった内容を掘り下げて像を書く。失語症ならコミュニケーション中心になど。

検査結果:数値が出るものは、図や表で示すなどの工夫を行う。記載する順番や内容の厚みについては、発表内容に沿って調整する。失語症を中心に発表するなら、失語症評価:その他評価=8:2など。発表内容に必要ない情報であれば記載しないといった選択もあります。

まとめ:評価した結果分かった事実を簡潔にまとめます。

障害像

評価結果から分かった事実を基に、症例の障害について専門性を持って掘り下げる。

出現している現象がどのような問題によって起きているのか、障害の像を具体的に書く。

チェックポイント
出現している症状と評価結果が一致しているか、脳画像から想定できる症状と乖離していないか、主訴や直面している問題と辻褄が合っているか等をチェックしながら、症状と評価を関連付けて、具体的な障害の像を書く。

問題点

評価で分析した問題を抽出する。

基本的にはICFを用いて肯定的側面、否定的側面を記載する。

チェックポイント

問題点は重要度の高いと考えているものから順番に記載する。※(#1失語症)など問題点の前に数字を付けるとわかりやすい。
機能障害、活動、参加は関連性があるように記載する。

例えば、
機能障害:失語症
活動制限:基本的な要求・理解ができない
参加制約:意思疎通ができないことによる集団への参加が難しい など。 

わびさび
3つの項目で対応関係を明確にするとわかりやすいです。

普段どのように症例をみているのか?

ICFで問題点を抽出するという作業は、その症例を普段どのようにみているのか、といった部分がそのまま出ます。つまり、内容が薄ければ症例のことについて生活を想定して評価できてないということです。退院後の生活も想定して問題点を抽出して、肯定的な側面もたくさん見つけられるように意識しましょう。 

 

目標

最終目標、長期目標、短期目標の順に記載。

機能面だけに着目せず、症例の社会的な背景や生活などを考慮して目標を立てる。

チェックポイント

問題点と目標の内容が乖離していないか、最終・長期・短期の目標に連続性や関連性があるか、など。問題点で挙げていないことをいきなり目標で挙げることがないように。 

リハビリ内容

行った訓練内容を記載する。

長期間の訓練を実施した場合は、図や表などを用いて訓練内容の変化を追いやすいように工夫する。

わびさび
訓練頻度の記載も忘れずに。

経過

経過を追う必要がある場合に記載する。

基本的には変化があった時を起点とする(3w(week)~6wなど)。

わびさび
変化があったことを全て書いていたら膨大な量になるので、発表テーマに沿った内容を中心として書くなど工夫しましょう。

考察

発表を通して言いたかったことや自分の考えを述べる。

疑問に思ったことを自分なりに仮説を立てて述べてみたり、先行研究と比較してどうなのかを考察してみたり、、。

チェックポイント

発表の方向性がばらつかないように、タイトルと考察内容が乖離しないように気を付ける(突拍子のない考察は聴者の理解を妨げる)。

最後にまとめとして、どんな問題が一番大きく、どのようなアプローチを行っていく必要性を感じているのかを明確に記載しておくと意見を頂きやすい。 

わびさび
難しく書く必要はありません。かっこつけて難解な言葉を並べると聴者も理解しにくいです。

引用・参考文献

引用や参考にした文献がある場合、レジュメのスペースに余裕がある場合は記載しましょう。

著者名、題名、本の名前、ページ、年代の順に記載します。

更にもう一歩、質を高める!

貪欲になるべし!

より質を高めるには、更に情報を絞って掘り下げていく必要があります。

余裕がある人は挑戦しましょう。

学会誌などで1症例の論文構成例

  • はじめに
  • 症例紹介
  • 評価
  • 研究方法
  • 結果
  • 考察 

多くの論文では、ひとつのテーマについて分析し深く掘り下げて研究を行っています。

症例の特徴を見抜いたうえで、適切な研究方法を選択し、先行研究などと情報と照らし合わせることで、示唆される事や新たな知見を発表します。

 

研究方法は症状の似たような文献を参考にするのがおススメ

失語症などは、「音韻性錯語」と「新造語」をどのように鑑別するかなど、分析の基準をはっきりとしておく必要もあります。用語をどのような意味で使っているのかを明確にしておく必要があります。

わびさび
非常に時間や手間がかかる作業になりますが、将来学会や論文を書く際の練習になります。掘り下げて分析することで自らの知見も広がり、スキルアップの機会にもなります。

 

まとめ

思わぬ発見があるかも!

今回紹介したような、時間をかけたレジュメ作成は発表することが最も大切なことではありません。

  • 作っていく過程で自分の考えを整理する
  • 字に書き起こすことで理解を深める
  • 分からないことを調べることで知識を増やす
  • 患者のことについてじっくりと考え気づきを得る など

発表する前の過程がとても大切で、発表の場はそれを披露する場です。

極論、発表の場で全否定されたとしても、レジュメ作成過程の中で考えたり、調べたりしたことがセラピスト人生の財産になると思います。

わびさび
レジュメ作成はとても大変な作業ですが、作業する前の自分より一歩成長できているはずと信じて年1回ほどは取り組んでみてはどうでしょうか?

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20代、田舎で言語聴覚士をしています!「わびさび」を感じられる余裕を持つため、QOLの向上を目指します。リハビリ関連の知識のアウトプットを中心に資産運用などにも取り組んでいます。色々なことに挑戦し、役立つ情報を発信できるように頑張ります!!