【リハビリ訓練】現実見当識訓練。時間に着目して、声掛けの仕方を再考する。

「今日は何日でしょう?」

新人の頃よく患者さんに、深く考えもせずに聞いていました。

この声掛けの仕方は果たして、ベターなのだろうか、、、

見当識の中でも『時間』に着目して、私の考えを記事にしました。

 

間違えることを分かっていた

私が新人の頃は、リハ介入するとルーチンのように「今日は何日でしょうか?」と聞いていました。

患者さんは、「あれ、何日だっけ?」と困った顔で苦笑い。

 

私はしたり顔で、

「昨日は○日でしたね」とヒントを出したり

「今日は○月○日ですよ」と日付を伝えていました。

 

その頃の私は、見当識の低下がある方に毎回同じ質問をすることで、見当識訓練をやっているつもりでいました。

しかし、ある日同じように尋ねていると、

「知らん!」と怒られる事や

「もう、頭パーよ」と笑いながら悲しそうな顔をされることが。。

 

そのような経験を通して、初めて気づいたのです。

良かれと思ってしていた質問が、間違える前提でしていた事実に。

つまり、間違えると分かっていながら、ネガティブな経験を毎日のように繰り返させ、負の学習を強化し、患者さんの自己肯定感を下げるようなことをしていたのです。

今思うと残酷なことをしていたな・・と。

無意識でした。。

 

子供の頃によく言われていた「宿題したの?」

これは、多分してないだろう・・という推測、つまりしていないとほぼ確信した状態で、質問していますよね。

私はこのニュアンスに近い意味合いで「今日何日ですか?」と使っていたのかもしれません。

 

MMSEなど検査を通して、見当識を評価することは大切です。

しかし、訓練として日常的に人から試されるような質問をされる方はたまった物じゃないと思うのです。

私も親から言われるならまだしも、弟や妹から繰り返し言われたら「ムッ」となるかもしれません。

わびさび
人によっては、馬鹿にされていると感じるかも。。

 

必要に迫られなければ、日付なんて覚えない

私も何もない連休が続いたときは、今日何日だっけ?とわからなくなることがあります笑。

日付って普段意識して生活するような状況になくては、いちいち確認することはしないのではないでしょうか?

 

『○日に~があったから、今日は○日』など

イベントがあったり、予定が入るなど、スケジュールを管理する必要があるからこそ日付を確認しますよね?

人間、必要と感じないことに対しては意欲的になれないものです。

つまり、予定がなければ、日付なんて気にしないということ。

 

それに、唯でさえ環境の変化が少ない入院生活。

空調も適温で、日々同じようなタイムスケジュール。

日付が分からなくなるのも無理ないことです。

だからこそ、見当識の確認と言った作業や環境調整といったものが大切になります。

わびさび
今日が何月何日何曜日か答えれますか?私は少し考えます(^_^.)

 

見当識(時間)の意識づけアイディア

カンニング力を強化!

認知症の方などは、日付を尋ねても確認すらせずに「何日だっけ、、、分からん」という人が多くおられます。

すぐ近くにカレンダーがかかっているのにも関わらずです。

情報収集能力、つまり、カンニング力が低下しているのです!

学生時代にはご法度だったカンニングも、日常生活場面では積極的に活用していく必要があります。

 

日付を覚えるのが困難だから、日付を覚えるように日々学習させるのは非効率的。

まずは、分からなくなったら確認するといった方略の学習を促していくべきです。

必要に応じて

  • カレンダーに印をつける
  • 日記を書く(日付だけでもOK) など

代償方略の学習を促し日常生活への汎化を促すことから始めましょう!

わびさび
習慣に落とし込む!

 

環境を季節相応のものに!

ベッドサイドにカレンダーがない場合はコピーしたものでも良いので掲示するも良いでしょう。

時には、季節感のあるもの(夏なら風鈴など)を飾るのも良いです。

お花や景色といった季節感を感じる写真を掲示したり、ご家族に季節感を感じる庭の写真など撮ってきてもらうのも良いかもしれません。

また、リハビリ中にたまには外にでるのもよいかと。

わびさび
外の空気を浴び、日の光を浴びる、雨のにおいを嗅ぐといった、五感を使って季節を感じる体験は非常におススメできます。

 

日付に興味関心の意味付けを!

スケジュールに関しては、予定を作ってしまいましょう!

  • 家族さんにお見舞いのスケジュールを聞いて、その日をカレンダーに記載する。
  • テレビで見たい番組を記載する。
  • 好きな食べ物が出る日を記載する。

待ち遠しく感じる興味ある予定を分かりやすく、スケジュールに記載することで「あと○日」と自然と日付にも興味関心を向くように(^_^)/

 

  • お風呂の日
  • パン食の日

いつもと少し違った日常を取り上げるのは曜日感覚をつけるのに良いかもしれませんね。

わびさび
ワクワクできる環境を作りましょう!

 

記念日を確認する!

リハビリ開始時に、記念日を確認してもらいます。

特にお勧めサイトは、366日への旅

かわいらしい絵と一緒に、記念日についての簡単なストーリーが書かれています。

「こんな記念日があったんだ」と私も一緒に驚きながら、会話をすることもあります(*^_^*)

その他、誕生花や有名人の誕生日も記載があるため、様々な方面から特別な1日を演出できます!

 

確認する際は、黙読でも良いですが、読める方は音読していただきましょう!

言語リハビリを始める準備にもなりますし、簡単に構音や高次脳評価も可能です。

『声に出して読む』というアクションを起こすことが重要です。

ちなみに、私の勤務先では大きな白板に文字を書き起こして、写真を張り付けるといった方法をとっています。

どうしても高齢者の方には、コピーでは小さく見えずらいので(^_^.)

わびさび
記念日などを題材に会話をすることでも、日付を思い出す時の一助となります。特に回復期リハでは、毎日リハビリがあるので話題作りにも最適です。

 

まとめ:ベストな刺激を調整する。

まずは、見当識をしっかり評価する。

その後は、どの程度の刺激を与えれば間違えることなく日付を表出できるかを分析するのが大切かと。

  • 最初からカレンダーをみせて確認と言った形をとるのか。
  • 周りにカレンダーがある状態で日付を聞き、確認するといった作業の学習を促すのか。
  • 昨日は~でしたね、今日はお風呂ですね、などヒントとなる情報を前もって与えてから日付を聞くのか。

基本はやはりエラーレスエフォートレス(間違えない、努力を要しない)です。

しかし、簡単すぎてもいけません。

絶妙な刺激量の調整が必要です。

 

無意識に働きかけましょう。

「あれ、前は答えられなかったのに、答えることが出来た!」

と、手伝ってもらったという感覚を与えぬままに、達成感を提供できるかどうかはセラピストの腕の見せ所かなと感じています。

見当識の中でも、時間がいちばん早く低下し、更に学習しにくいと言われています。

わびさび
与えている刺激がどのように相手に伝わっているかを考えるのは大切なことだと思っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

20代、田舎で言語聴覚士をしています!「わびさび」を感じられる余裕を持つため、QOLの向上を目指します。リハビリ関連の知識のアウトプットを中心に資産運用などにも取り組んでいます。色々なことに挑戦し、役立つ情報を発信できるように頑張ります!!