【リハビリ訓練】高次脳機能訓練のトランプ分類課題の効果。応用の仕方も紹介!

トランプ分類課題。

主に注意機能とワーキングメモリーの訓練となります。

高次脳課題に取り組みがよくない患者さんでも楽しんで取り組みやすいといった特徴もあり、私も臨床で時折使用します。

トランプ分類課題を行う上での、考え方や方法、工夫を記事にしました!

 

トランプ分類課題とは

トランプを使用し、マークごとに分類を行います。

その他にも、

  • 色分け
  • 数字分け
  • 決まった数字のみ別で分ける

といったように、ルールをアレンジすることで難易度も比較的簡単に変更できます。

用意するもの

名前の通り、トランプです!

マジック用のものもありますが、お値段が高かったり、すべりが良すぎたりもするので、百均のもので十分かと。

その分、色落ちや折れ曲がったりなどしやすいですが、半年は十分に使えると思います。

弱視の方には数字やマークが大きくプリントされたものがあるのでおススメです!

手が不自由な方や大人数でする場合には、大きいトランプがおススメです!

適応

高齢者から子供まで楽しめます!

私は主に高齢者の注意機能訓練として使用することが多いですね。

机上課題が苦手な方でも、結構トランプ分類課題に対しては取り組みが良い人が多い印象です!

リハビリで行う際は、高次脳機能をしっかり評価したうえで、適切な難易度を設定し、セラピストと1対1という特性を十分に活用し、最大限の効果を促しましょう!

高次脳機能障害に対する適応

  • 注意障害
  • 半側空間無視
  • 記憶障害
  • 遂行機能障害など
わびさび
使い方次第で幅広く高次脳機能の賦活を促すことが可能です!
特に適応外はありません。工夫次第で誰でも取り組み可能です! 

 

目的

全般的な注意機能とワーキングメモリーの賦活が主な目的になります。

  • マークを注意深く見る
  • 指定された場所に振り分ける
  • 52枚継続して実施する

といった過程が脳機能の賦活に繋がります。

注意機能の向上は種々のADL・IADLの改善にもつながります。

わびさび
セラピストが適切な難易度、声かけ、環境を設定することで一人で行うよりも高い効果を期待できます!

 

応用編

トランプ分類課題をより意義のあるものにするためのアイディアを紹介します。

以下の方略に限らず、色々組み合わせて、最も適切な課題をオーダーメイドして下さい!

配置を考える

トランプには、

ハートダイヤクローバースペード

の4種類のマークと2種類の色があります。

トランプをマークごとに分類する際には、配置によって難易度に差がでます。

つまり、

黒・赤・黒・赤の配置

黒・黒・赤・赤の配置

によって、難易度が変わるということです。

上記の図の場合は、『黒・黒・赤・赤の配置』の方が、間違いやすい配置になります。

塊として左は黒、右は赤と認識してしまうので、配置によってはマークへの意識がおろそかになりやすいのです。

わびさび
ちょっとした違いで難易度が変わります。

スパンを設定する

最初に数字を決めて、その数字だけを別の場所、または裏返して分類するといった方法です。

分類するだけでなく、決まった数字に対して注意を持続しておかなくてはならないため、難易度がグンッとあがります。

1スパン(数字1つだけ)でなく、増やしていくとより難しくなります。

 

おススメなのは、日付を数字に設定することです!

4月11日なら、4と11だけ別に分類するなど。

そうすることで、日付を意識して覚えることへもつながります!

覚える数字を忘れた場合はカレンダーを確認するなどの困った際の『方略の学習』を促すこともできます。

わびさび
繰り返し行う場合は、数字を随時変更することで、注意のセットと転換を賦活することも可能です。

時間を測定する

制限時間があったり、タイムアタックとなると燃えませんか?

ミスが増える可能性があるのでケースバイケースですが、時間を決めると集中が増します!

また、日々の記録を残し置くことで、モチベーションアップにもつながります。

わびさび
数値化するという考え方は、分かりやすいという意味でも臨床において結構大切です!

決まった数字の時に約束事をする

『スパンを設定する』の方略の上級版です。

方法としては、数字をいくつか決めます。

その数字を分類する際に、紙にチェックを付けるなどの約束事を決めます!

わびさび
動作が複雑化するので、より高次な課題となります。

10秒たつごとに方略を変える。

時計を近くに置いておき、10秒経つごとに省くカードの数字を+1するなど。

時間や方略は対象者に合わせて、調整しましょう!

この方略は、同時に二つのことに注意を向けなければいけないので、一気に難しくなります。

わびさび
紙に方略を書いて随時確認できるようにするなどの工夫で丁度良い難易度に調整しましょう。

分類する場所を広げる

半側空間無視など空間認識に問題のある方におススメです。

幅広く4種類のマークを置く場所を指定することで、空間認識の訓練につながります。

わびさび
単純に机上だけでなく、上下左右・前後に配置すると面白いです。

手渡しして動作を誘導する

患者さんにトランプを引いてもらうのではなく、セラピストが手渡しします。

この時に、渡す方向を変えたり、距離をとってみたりすることで、リーチ動作の促しや空間認識を高めることができます。

また、トランプの表裏をランダムにしてみるのもおススメです!

わびさび
裏返す過程で絵柄に注意が向きますし、手首の回旋なども促せます。

慣れてきたら2重課題として活用

トランプ分類課題に慣れてきたら、運動が自動化してきます。

つまり、人間は学習する生き物なので、深く考えずとも簡単に分類できるようになってきます。

難易度を変えても良いのですが、2重課題として活用するのもおススメです!

トランプ分類をしながら

  • 合図を出した時の数字を覚えておく
  • しりとりをする
  • 簡単な計算問題 など
わびさび
よりワーキングメモリーに負荷をかけることができます。

実施する上で気を付けている事

基本的にエラーレス・フォートレスが高次脳訓練では良いと思っています。

なので、セラピストに求められるのは、適切な難易度調整と誤った場合の気づきの促しです。

誤りへの気づきに対しては、「ここ間違えてますよ」と指摘するのではなく、本人が気づくようなアクションを起こすことが大切と考えています。

  • わざとカードを落としてみる
  • 間違ったマークで振り分ける場所がなくなったマークを渡して気づかせる
  • 少し間をもつ など

この『自分で気づいて修正できた』過程は非常に大切です。

人に対して指摘されるより自発的に気づいた方が、「次は注意しよう」という気持ちが高まりやすいのでは!

わびさび
指摘されると良い気分もしませんしね(^_^.)

 

まとめ:活動・参加に反映させていく視点を!

トランプ分類課題はあくまで、機能訓練です。

これだけを盲目的に続けていても、活動や参加に反映していく事は難しいでしょう。

注意機能が改善していく中で、食事やコミュニケーションなどの実際の日常生活場面に、どのような影響がみられてきているのかをしっかり評価しましょう!

わびさび
楽しんで課題に取り組めるのが一番です!!

スポンサーリンク



コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

20代、田舎で言語聴覚士をしています!「わびさび」を感じられる余裕を持つため、QOLの向上を目指します。リハビリ関連の知識のアウトプットを中心に資産運用などにも取り組んでいます。色々なことに挑戦し、役立つ情報を発信できるように頑張ります!!